邦正美の『そうらん節』
この作品の発想は;
戦前のはるか以前、北海道余市の海が鰊漁で賑わっていた頃、その壮大な題材の感激から始まった。舞踊創作に取り掛かって数年、その完成に至らない内にドイツへの舞踊留学のために中断。敗戦後に帰国。
余市の海はあまりにも変わってしまっていた。鰊がまったくこなくなったのである。鰊は余市の海を見捨てたのである。見捨てられた人々の生活は? 余市は寂しかった。題材は在りし日の壮大な余市の海であるが、作品のモティーフは全く別なものになった。
それから、実際に群舞の創作に取り掛かりました。中途で何回も太平洋を横断しながら、踊りを練り直しました。又新しい霊感を求めて余市の海辺を歩きました。作品がどうやらまとまったので、1999年10月の発表公演を決定しました。
ところが、ところがです。この春予期しなかった異変事が起こりました。鰊が、あの鰊の群が、余市一帯の海に突然押し寄せて来たのです。北海道の人々は喜びました。私は慌てました。群舞作品『そうらん節』は振り出しから作り直さなければならなくなりました。二転三転作品のモティーフは、又全く別な新しいものになるからです。
五部作 群舞 演:邦正美舞踊団
第一部 ー 海
第二部 ー 波
第三部 ー 人
第四部 ー 流
第五部 ー 空
第四部 流
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音量にご注意ください
邦正美の『そうらん節』についての詳細は、作品ギャラリーページにてご紹介しています。